第238回研究発表会開催 |
日時: 2022年7月9日(土) 13時30分から17時00分を予定。
参加方法:インターネットに接続可能なパソコンやタブレットで、以下の手順でオンライン会議にご参加ください。
1.https://zoom.us/download にアクセスし、「ミーティング用Zoomクライアント」をインストールする。 (すでにZoomをお使いの方は不要です。)
2.Zoomを立ち上げ、〔ミーティングに参加〕をクリックする。
3.ミーティングID欄に「853 9784 8063」を入力する。
4.パスワードは hanshin[at]jgg.jp([at]を@に変えてください)までお問い合わせください。
5.入室待機画面のままおまちください。13時15分頃から入室手続きをおこないます。
※ 発言するためにはマイク(パソコン内蔵マイクも可)が必要です。カメラなしでも参加できます。
※ ご使用のZoomが古い場合、音声が途切れるなどのトラブルが発生することがあります。Zoomを最新のものにバージョンアップしてからご参加してください。
※ お問い合わせは当会メールアドレス hanshin[at]jgg.jp([at]を@に変えてください)宛にお寄せください。当日のトラブルに関しても、こちらのアドレスでご対応します。
[プログラム]
発表1畑一成(大阪経済大学)
題目:色彩探求とグランド・ツアー
司会:久山雄甫(神戸大学)
要旨:色彩論に関するゲーテの最初期の論文に「青について」がある。青はロマン主義を代表する色彩だともいわれる。この時代、青は文化的側面だけではなく、 科学の側面においても大きな役割を演じていた。その芸術と科学の両面は、 「旅」において密接に結びつけられる。オラス=ベネディクト・ド・ソシュールのアルプスへの探検旅行や、フィレンツェでガリレイの新しい科学を学ぶこ とになったロバート・ボイル(1627-91)などのグランド・ツアーは、科学を大きく進歩させると同時に、新しい芸術形式の発展に寄与していた。それは遠く離れた現代の日本においても変わりなく、美術家でもあり色彩制作を行う科学者でもあった大西博においても垣間見られる。本発表では、青を中心にして色彩探求と旅行とがいかに絡み合うのかを論じながら、科学と芸術とが接近する様子を考察する。
発表2小西優貴(関西大学大学院博士後期課程)
題目:ドイツの小学校ドイツ語科教科書における移民背景を持つ人々の多言語背景と多言語使用に関する描写の分析
司会: 高橋秀彰(関西大学)
要旨:移民背景を持ち、様々な出自言語を話す子供達を多く抱える現在のドイツの学校教育では、彼らの多岐にわたる言語背景やドイツ社会における言語的多様性をどのように言語教育に関連づけることができるかが一つの大きな課題となっている。そうした教育の実現のためには、教科書が上記のような事情を考慮して作られているかどうかが重要である。教科書における多言語というテーマは、Geist (2021)やBredthauer et al.(2021)に見るように、徐々に学術的関心を集め始めているようではあるが、未だ十分な調査が行われているとは言い難い。
本発表では、ドイツの小学校ドイツ語科教科書42点を対象に、ドイツ社会における人々の言語背景の多様さやその言語使用のあり方がどのように描写されているのかを分析する。その結果として、移民背景を持つ子供達の出自言語を授業のリソースとして活用している様子を描いたテキストを収録したり、家族と複数の言語で会話している場面を挿絵と吹き出しを用いて描写したりすることで、ドイツの多言語社会の実情を反映することを試みている教科書が複数あることを示す。その一方で、そうした描写に欠けている教科書も少なからず存在することを指摘する。
発表3武井佑介(立命館大学)
題目:初級ドイツ語学習者がディスコースマーカーを必要とする会話場面 —ドイツ語会話内に出現するドイツ語及び日本語ディスコースマーカー分析—
司会:西出佳詩子(大阪大学)
要旨:今日、円滑なコミュニケーションを補助するディスコースマーカー(以下「DMs」)は、ドイツ語教育においても重要なテーマの1つである。しかし、初級の日本人ドイツ語学習者において、DMsを習得することは容易ではない。そこで、初級段階において、まずはドイツ語母語話者が用いるDMsではなく、初級学習者が必要とするDMsの習得を目指すほうが学習者にとっての負担が少ないのではないか。
本発表では、初級学習者がドイツ語会話内にて発したドイツ語及び日本語DMsを分析し、初級学習者がDMsを必要とする会話場面を包括的に把握することを目的とする。また、言語の異なるドイツ語DMsと日本語DMsを同等に扱うため、同じような場面で出現した両言語DMsの使用方法が類似しているかも精査する。初級学習者がDMsを必要とする会話場面の把握は、外国語授業において習得の難しいDMsを教える1つの手がかりとなるだろう。
※ ハンドアウトについて
研究発表のハンドアウトは7月8日までにアップロードします。URLについては hanshin[at]jgg.jp([at] を@に変えてください)までお問い合わせください。